子供の成長を阻害するホルモンの存在とは?


成長抑制ホルモン「ソマトスタチンの正体」

 
近年、ソマトスタチンという体内から分泌されるホルモンが脚光を浴びています。

ソマトスタチンには子供の成長を抑えてしまうと取りざたされていますが、本当なのでしょうか?

本記事では、未知のホルモンであるソマトスタチンについて、その秘密を探っていきます。


ソマトスタチンとは

 
ソマトスタチンは人間のカラダで生成されるホルモンと呼ばれる化学物質の一種です。
膵臓のランゲルハルス島と呼ばれる部分や、消化管、または脳の下垂体から分泌されます。
 
ソマトスタチンは特定の物質やホルモンに呼応して分泌されるもので、ブドウをカラダに放出して血糖値を上げるグルカゴンが出すぎている場合や、カラダにブドウ糖を吸収させて血糖値を抑えるインスリンが出すぎているときに放出されます。


ソマトスタチンの働き


このソマトスタチンの主な働きとして、グルカゴンやインスリンの分泌が抑える働きがあります。
グルカゴンとインスリンは血糖値の増減に関わっているので、ソマトスタチンによって血糖値の異常な上昇や減少が管理・コントロールされるのです。
 
グルカゴンはグリコーゲンという蓄えられた物質を分解し、エネルギーとなるブドウ糖に変えてそれを血液中に放出することでカラダを動かしている重要なホルモンです。
しかしながら、グルカゴンがあまりにも多く分泌されていると血液中にブドウ糖が多く放出されすぎてしまいます。
つまり、血糖値が上がりすぎてしまうのです。
これは最悪の場合、糖尿病の発症につながり疲労感、眼のかすみ、眠気、吐き気、運動持久力の低下、さらには神経障害や網膜症、腎症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢の閉塞性動脈硬化のような合併症を引き起こしてしまいます。

ソマトスタチンが分泌されていればそのような血糖値の暴走も基本的にコントロールされます。

インスリンは血液中にブドウ糖の数が増えると、余分なブドウ糖を血中から取り除くために分泌され全身にいきわたるホルモンで、それによって肝臓細胞がブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄えます。
その結果、カラダの血糖値が下がるのです。

しかしながら、インスリンが増えすぎると高インスリン血症という病気が発生し、筋肉や肝臓、脂肪にエネルギーを貯めこみすぎてしまい肥満となってしまいます。

また、インスリンが異常に分泌されことでアルツハイマー病になってしまう可能性が高まります。
これはアルツハイマー病を引き起こすアミロイドβの分解に必要な物質が、インスリンの分解に使えわれてしまうことから起こる現象です。

さらに、インスリンが分泌されすぎてしまうとガンになりやすいことが分かっています。
インスリンは細胞を増やす働きがあるため、良い細胞に加えて悪い細胞であるガン細胞も増加させてしまうのです。

しかし、ソマトスタチンの働きによってインスリンの量はコントロールされ、肥満になることやアルツハイマー症、ガンにかかることを防いでいるのです。

この他にもソマトスタチンは成長ホルモンの異常な分泌を防ぐ働きや、胃腸の運動を抑える働き、消化管の分泌と吸収を抑える働き、栄養の吸収と消費をスムーズに行う働きがあります。


ソマトスタチンは成長を抑制する?


ソマトスタチンは成長ホルモンの分泌を抑える働きがありますが、これによって子供の成長は抑制されてしまうのでしょうか?
 
簡潔に言えば、基本的にソマトスタチンの働きによって身長が伸びなくなることはありません。
確かに、ソマトスタチンは成長ホルモンの放出を減らす役割があります。
しかしながら、ソマトスタチンは睡眠中には分泌される量が減少するのです。
成長ホルモンは主に、人間が深い睡眠についたときに放出されます。
つまり、成長ホルモンを出すために重要な時間帯にはソマトスタチンが出づらくなることで、問題なく成長ホルモンが分泌され十分な成長が望めるのです。

逆に言えば、ソマトスタチンが分泌されないことで成長ホルモンのコントロールが効かなくなってしまいます。
成長ホルモンが通常の範囲で作用していれば身長の伸びなどにつながりますが、分泌が多すぎると眉間や頬骨の突出し、下顎が出て噛み合わせが悪くなることや、鼻、口唇、耳たぶ、舌が分厚く大きくなってしまうことがあります。

また、手や足が大きくなりすぎてしまうことや、月経や代謝が上手くいかなくなってしまうこと、皮膚が分厚くなりゴツゴツしてしまうことや発汗が多くなるような皮膚の変化も起こってしまいます。
授乳期でなくても乳汁が出てしまうことや、肋骨が大きくなって胸板が厚くなってしまうこと、関節痛が起こってしまうような弊害もあります。

さらに、年齢が低いころにソマトスタチンが少なすぎるとカラダが大きくなりすぎてしまう巨人症になることや、思春期の遅れや性器の発育不良が起こってしまうデメリットがあります。

まとめ


ソマトスタチンは目立たないホルモンですが、血糖値の増減のホルモンや成長のためのホルモンを適切にコントロールすることで、我々のニンゲンらしい生活を支えているのです。

また、今回ご説明させていただきました成長ホルモンに関しましては「子供の身長を伸ばすために必要な成長ホルモン」という記事の方に詳細がございますので、是非一読くださいませ。